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燃えよ剣33

发布日期:2022-10-20 12-13-29文章来源:易学国际教育文章原创作者:小易浏览次数:47
信息摘要:
紅白それからほどない慶応元年|師走《しわす》の二十二日、局長近藤勇が、芸州広島の出張さきからもどってきた。随行した参謀伊東甲子太郎、武田観柳斎、尾形俊太郎も、同様、旅塵にまみれた姿で、花昌町の新屯営に入った。「歳《とし》、留守中はご苦労だった」近藤は歳三の肩を大きくたたいた。...
紅  白
それからほどない慶応元年|師走《しわす》の二十二日、局長近藤勇が、芸州広島の出張さきからもどってきた。 随行した参謀伊東甲子太郎、武田観柳斎、尾形俊太郎も、同様、旅塵にまみれた姿で、花昌町の新屯営に入った。 「歳《とし》、留守中はご苦労だった」 近藤は歳三の肩を大きくたたいた。近藤は、どこか、かわったようであった。 ひと月ぶりで歳三を見る眼も、どこかしらつめたいようである。 (妙だな) 歳三のこまかい神経が、働いた。 その夜、幹部の酒宴があった。 近藤は、杯を二つ三つあけると、真赤になった。本来、下戸である、そのくせ、 「うまい」 と含みながらいった。 「諸君、酒はやはり京だな」 しかし、それ以上は飲まない。飲むかわりに眼の前の膳部のものを大いに食い、大酒でものんだように高調子で談論した。 おもに長州の情勢についてである。 「長州はうわべだけは禁廷様と幕府に対し奉ってひたすら恭順をみせかけているが、あれァ、まるっきりの猫っかぶりだよ。背後でやつらは武備をととのえている」 「ほう」 留守の幹部は、みなおどろいた。 会津藩は徹底的な長州ぎらいだから、近藤もその眼で長州をみてきている。 (元来、長州藩には、天下に野望がある) と、近藤はみていた。毛利侯は将軍になりたがり、天皇を擁して毛利幕府を作ろうとしている。長州人にとって尊王攘夷はその道具にすぎぬ、と近藤は憎悪をこめて信じていた。近藤だけではなく、母藩の会津藩が上下ともそう思いこんでいるし、のちに長州の友藩になった薩摩藩などは、強烈にそう信じこんでいる。 その証拠に、薩長同盟の密約のとき、薩摩藩の西郷吉之助(隆盛)は容易に腰をあげなかった。その疑惑があったからである。 「幕府は手ぬるい」 と、近藤は、吐きすてるようにいった。 「いま防長二州の四境に兵をすすめ、毛利家をたたきつぶして天領(幕府領)にしてしまわねば、どえらいことになるぞ」 「しかし、近藤さん」 と、伊東は白い顔をあげた。 伊東には、べつの見方がある。 「長州は去年、馬関海峡で四カ国の艦隊に対して、一藩でもって攘夷を断行している。天下の志士は、長州が自藩の滅亡をおそれずに攘夷を断行したことに喝采を送った。近藤先生、あなたも攘夷論者でしょう」 「そのつもりです」 まぎれもなく新選組結党のそもそもの主旨であった。 「それなら、もっと柔軟な長州観があってしかるべきでしょう。長州は、朝廷の御方針を奉じて攘夷を断行し、不幸|夷狄《いてき》の砲力がまさっていたために、沿岸の砲台はことごとくたたきつぶされた。その上、幕府の征伐をも受けようとしている。長州は瀕死の傷《て》を負っている。他にいかに非違があるとはいえ、これを討つのは武士ではありませんよ」 「武士ではない……」 近藤は、箸をとめた。 「伊東さん、武士ではないといわれるか」 「そうです」 伊東は、近藤の眼をじっと見つめてから微笑し、さらに議論をつづけた。利口な伊東は近藤という男を知りぬいている。近藤は、知的な論理のもってゆきかたよりも、むしろかれの情緒に訴えるほうが、理解しやすい頭脳をもっていた。 「武士が武士たるゆえんは、惻隠《そくいん》の情があるかないかということですよ。ひらたく申せば、武士の情けというものです」 「ひらたく申さずとも」 と、近藤は刺身をつまみ、 「わかっておる」 にがい顔で、口に入れた。 近藤は、もはや京都政界の大立者になっていた。当人もそのつもりでいる。伊東に、無学だと思われるのが、つらいのである。 「伊東さん。わしは、わかっておるつもりだ、なにもかも。多弁を用いてもらわずともよい」 「そうでしょうとも。こんどの旅では、旅程をかさねるにつれて、拙者の意見をよく理解してくださるようになった。——土方さん」 と、伊東は、近藤の膝一つおいてむこうにすわっている歳三に話をむけた。 歳三は、はじめっから、だまって飲んでいる。 「そうなんですよ、土方さん」 「なにが、です」 歳三は、物憂そうにいった。 「いや、つまり」 と、伊東は、どもった。この歳三がにが手なのである。 「近藤先生のことですよ。先生は、長州の情勢をみられて、また一段と視野を広げられたようにおもう。おそらく、いまの混沌とした京の政局を収拾なさるのは、清濁あわせ呑む底《てい》の近藤先生しかありませんよ」 「そうですか」 近藤のばかめ、と肚でおもっている。おだてられて、やがてひどい目にあうだろう。 「土方さんは、どう思います」 「なにがです」 「いまの問題」 「私には一向に興味はありませんな」 歳三は、にべもなくいった。 あるのは男一ぴきだけさ、と心中でおもっている。なるほど新選組は尊王攘夷の団体だが、尊王攘夷にもいろいろある。長州藩は、どさくさにまぎれて政権を奪ったうえで尊王攘夷をやろうとしている。これとはちがい、親藩の会津藩の尊王攘夷は、幕権を強化した上での尊王攘夷である。歳三は、新選組が会津藩の支配を受けている以上その信頼に応《こた》えるというだけが思想だった。しかし男としてそれで十分だろう、とおもっている。 (もともとおれは喧嘩師だからね) 歳三は、ひとり微笑《わら》った。 伊東はその微笑をよほど薄気味わるいものにおもったのか、だまった。座が白け、あとは、はなしもあまりはずまなかった。
明くれば慶応二年。 正月二十七日、近藤はふたたび、幕府の正使小笠原|壱岐守《いきのかみ》に随行して長州と折衝するために芸州広島へくだった。 「またかね」 出発前、歳三は近藤にいった。 「歳、留守をたのむ。こんどは、長州領に入る。この眼で長州の実態を見、長州人とも語りあいたい。かれらと国事を談ずれば、武によるべきか和によるべきか、この天下の紛争の収拾策がわかるだろう」 (がらでもねえ) とおもったが、歳三は口に出しては云わない。ただ、 「伊東と一緒だね」 念をおした。 「あれは参謀だ」 近藤はいった。 「当然、連れてゆく」 「参謀?」 「そう」 「たれの参謀だかわかりゃしねえよ」 「歳、そうそう口汚くいうもんじゃねえ。われわれは国士だ。いつまでも多摩の百姓家のせがれじゃねえんだ。伊東はあれはあれで使い道のある男だ。あの男、やや長人《ちようじん》を代弁しすぎるきらいはあるが、かといってあの容儀、学才は、われわれの存在を重からしめていることはたしかだ」 「重からしめている?」 歳三は、くすっ、と笑った。 「いったい伊東がなにを重からしめているんだ」 「新選組をだ」 「近藤さん。伊東が接している人士のあいだでは、新選組は宛然《えんぜん》長州の幕下《ばつか》になったようにいわれているのを知っているかね」 「ばかな」 「つまり、重からしめている、というのはそんなことか」 「わるいところだ」 近藤はいった。 「歳、お前はむかしから意地がわるくていけねえよ」 「性分だからね、あんな得体《えたい》の知れねえ野郎をみると、むかむかするのさ」 伊東は、近藤と同行して長州にくだった。こんどは、伊東系の重鎮である監察の篠原泰之進をつれている。 伊東、篠原は、広島に入ってしばらくは近藤と行をともにしていたが、やがてひそかに長州の広沢兵助(のちの真臣《さねおみ》。木戸|孝允《たかよし》とならんで維新政府の参議となる)に渡りつけて、長州領に入った。長州藩としてはよほどの好意である。 二人は、長州藩の過激分子とまじわりをもとめ、しきりと意見を交換してまわった。伊東の腹中、 (討幕。——) という考えがまとまったのは、この期間であったろう。 理由はある。 伊東が裏切りへふみきったのは、この長州訪問中、重大な秘密情報をえたからであった。 それまでは長州とは犬猿の仲で、むしろ会津藩の無二の友藩であった薩摩藩が、急転、長州藩と秘密の攻守同盟をむすんだらしい、ということである。 幕末史を急転させたこの秘密同盟は、この年正月二十日、土州の坂本竜馬の仲介で、長州の桂小五郎、薩摩の西郷吉之助とのあいだにむすばれた。場所は、京都錦小路の薩摩藩邸である。 この事実は、幕府、会津藩、新選組のたれも知らなかった。 むりはない。秘密を保持するために、桂も西郷も、自藩の一部の同志に打ちあけただけで、洩らさなかったのである。 「薩長が手をにぎれば」 と、当時、たれもが思った。 「武力的には幕府は歯がたたないだろう」 旗本八万騎は懦弱《だじやく》でつかいものにならない。御三家、御家門、御親藩の諸大名は、会津、桑名をのぞくほか、腰がさだまらない。そんな事態でこういう観測は、幕閣の要人でさえ常識としていた。 その二大強藩が手をにぎった。 この瞬間から幕府は倒れた、といっていいのだが、不幸にも歳三は知らない。 局長近藤も知らなかった。 ただひとり、参謀伊東甲子太郎のみが知った。 「京であらたに」 と、伊東は、長州で、長州人たちに宣言してまわった。 「義軍をつくるつもりです。むろん、近藤、土方とは手を切って」 長州人はよろこんだ。
 伊東は優待されて、五十日間も滞留した。 近藤は、早く広島をきりあげたが、この広島行きは、近藤にとっても、収穫はあった。近藤を連れて行った老中小笠原壱岐守|長行《ながみち》が、この浪人隊長の人物に惚れこんでしまったのである。 惚れた、というより壱岐守は感動した。当節、一介の浪人で、幕府のために身をすてて尽してやろうという奇特な男は、この男しかないだろう。 「先生」 と、壱岐守は、そういう敬称でよんだ。鼻が大きいばかりで人一倍、気がよわくできているこの四十五歳の唐津藩主の世子は、近藤のような木強漢《ぼつきようかん》が、すきである。というより、はじめて見る人種だったのだろう。 ——先生のようなひとこそ、国家の柱石というのでしょう。 と、奇巌でも仰ぐようないい方でほめた。 ——三百年の恩顧ある旗本でさえ、ああいうざまです。私はものを悲観的に見がちだそうだが、大公儀が万一のばあい、新選組にたよらねばならぬときがくるかもしれませんよ。 「どうでしょう」 と、壱岐守は近藤にいった。 「いっそ、将軍家の御直参《ごじきさん》になっていただくわけには参らぬか。身分、禄高については、十分、ご満足のゆくようにはからうが」 ——はっ。 と近藤はおどる胸をおさえかねたが、しかし新選組は、同志の集団である。隊士は近藤の家来ではなく、同志であった。かれ一存で請けるわけにはいかない。 (余の者はいい。伊東甲子太郎とその一派が反対するだろう) かれらは近藤とは前身がちがう。多くはそれぞれ脱藩《くにぬ》けして攘夷の志をのべるために京へのぼってきている。ふたたびもとの主取りの身に戻るくらいなら、はじめから脱藩もすまいし、第一勝手に徳川家の家来になればもとの藩主にわるい。 (伊東甲子太郎、こいつは邪魔だな) 近藤は、はじめて思った。 しかし、伊東という人材を捨てる気にもなれない。あの男がいるおかげで、近藤は、諸藩の公用方とまじわっても、いっぱしの議論ができるようになった。新選組が、単に粗豪な剣客の集団ではなく、政治思想の団体として他藩が眼を見はるようになったばかりである。 「隊に帰り、同志とも相談《はか》りましたうえで、お請けしたいと存じます」 と答えておいた。
屯営に帰り、数日考えてから、近藤は、伊東と訣別《けつべつ》する肚をきめ、歳三にこの直参取りたての一件を相談した。 「その話なら、先刻、耳に入っている」 と、歳三はいった。じつは近藤は帰洛の途中、尾形俊太郎に洩らしたために、この情報は、隊中に知れわたっていた。 「歳も人がわるい。これほどいい話が耳に入っていながら、なぜわしにただそうとせぬ」 「はて。いい話かね」 歳三は、ちょっと微笑《わら》った。 「請ければ、新選組は真二つに割れるよ。もう伊東一派などはさわいでいる。内海二郎がどうやら長州にいる親分へ伺いの飛脚を立てたような形跡がある。あんたは、隊が割れてもいいというのか」 「義のためにはな」 近藤は、いった。 「一身の栄達のためではない。御直参として活躍するほうが働きやすいとすれば、これは天下国家のためであるし、禁廷様のおんためでもある」 「ちかごろ、理屈が多くなったな」 歳三は、苦笑しながら、 「おれはね、近藤さん、新選組を強くする以外に考えちゃいねえ。隊士が、直参にとりたてられたがために強くなるようなら、よろこんで請けるよ」 といった。 「歳、お前は、単純で仕合せだなあ」 「ははあ」 歳三はあきれて近藤の顔をまじまじと見つめた。この、 国士 をもって老中から遇せられている男は、政治をぶつことが複雑だとちかごろ思いこんでいるらしい。 「そうかねえ。私は、これはこれで、ずいぶんと混み入って考えているつもりだが」 「いやいや、結構人《けつこうじん》だよ」 近藤は豪快にわらった。 「いっぺん、お前のようになってみてえ」 「そりァ、あんたは苦労が多いからね」 「多いとも」 歳三は、噴きだした。なんのかんの云っていながら、歳三は近藤のこういうところが大好きなのである。 「ところで」 と、歳三は真顔になった。 「直参になるには、その前にすることがあるだろう」 「伊東のことか」 「そう」 歳三は、うなずいた。 直参になれば、新選組が名実ともに佐幕にふみきったことになるのだ。天下の浪士のなかで、ただひとり佐幕の旗をかかげることになる。伊東とその一派は、当然出てゆくだろう。 が、隊法がある。だまって、出すか。それとも、結成以来、隊法をもって絶対としてきた鉄則を、伊東にもあてはめるか。 「どうするかね」 と歳三はきいた。 近藤は、だまっている。やがて感情を押しころしたような、眠そうな表情で、 「局中|法度《はつと》どおりだ。あの法度あるために新選組はここまで来ることができたし、こののちも、烏合の衆に化することなく行くことができるだろう」 「さすがだ。あんたもまだ性根をうしなっていない」 「ところで」 近藤は、歳三の顔をのぞきこんだ。 「お前、女ができたそうだな」 「ちがう」 歳三は、狼狽した。事実、お雪の家にはあれから二度訪ねたきりだし、手も触れていない。 「ほほう、赤くなっている。めずらしいこともあるものだ」 近藤は、小さな声をたててわらった。 〈燃えよ剣(上) 了〉
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