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燃えよ剣16

发布日期:2022-10-20 12-13-04文章来源:易学国际教育文章原创作者:小易浏览次数:53
信息摘要:
高瀬川「総司、人体《にんてい》を見ろ」と、歳三がいった。沖田総司が死体のそばにかがみこんでみると、りっぱな武士である。「土方さん、風装、|まげ《ヽヽ》などからみて、公卿に仕える雑掌《ざつしよう》、といった者のようですな」「雑掌か」京には、そんな武士がいる。公卿侍という者だ。...
高 瀬 川
「総司、人体《にんてい》を見ろ」 と、歳三がいった。 沖田総司が死体のそばにかがみこんでみると、りっぱな武士である。 「土方さん、風装、|まげ《ヽヽ》などからみて、公卿に仕える雑掌《ざつしよう》、といった者のようですな」 「雑掌か」 京には、そんな武士がいる。公卿侍という者だ。平安朝のむかしなら青侍とよばれたものだが、近頃はなかなか腕ききを召しかかえている。 武士は、三十五、六。一合か二合、抜きあわせているうちに、五、六人に押しかこまれて討たれたらしい。 「旦那」 と、この祇園界隈を縄張りにしている御用聞が、顔を出した。 江戸なら威勢のいいはずのこの稼業人が、意気地なくふるえている。この連中も、尊攘派の浮浪志士の跳梁《ちようりよう》には、十手をかくしてふるえているしか手がないのだ。げんに去年の閏《うるう》八月、幕府のために猟犬のように駈けまわった高倉押小路上ルの「猿《ましら》の文吉」という者が、過激な志士たちのためにしめ殺され、三条河原にさらされている。 「おい、この者に見覚えはあるか」 「ございます」 「たれだ」 「九条関白様にお仕えする野沢|帯刀《たてわき》という御仁でございます」 (九条家、といえば、猿渡のお佐絵が仕えている公卿だな) 当主は、九条|尚忠《ひさただ》。 京都における佐幕派の頭目といわれ、ひどく尊攘派からきらわれているが、これも去年同家の謀臣島田左近、宇郷玄蕃《うごうげんば》が暗殺されてから時勢のはげしさにおびえ、落飾して政界からひとまず隠退している。しかしなお、尊攘浪士のなかには、執拗《しつよう》にこの一門をつけねらっている者がいるということは、歳三もききおよんでいた。 (それで、殺《や》られたか) 歳三は、立ちあがった。 調べは、それだけでいい。所司代とちがって、新選組には、事件の動機、経緯などはどうでもよかった。剣をふるう者には、剣をふるう以外に、新選組の仕事はない。 「相手の人数は何人だ」 「六人でございます」 御用聞は、見ていたらしい。 「特徴は?」 「三人は長州なまり、二人は土州の風体、じかに手をくだした一人は、どうやら旦那となまりが似ております」 「武州なまりか」 京の尊攘浪士に、武州者はめずらしい。 「どこへ逃げた」 「逃げた、というより、その先斗町《ぽんとちよう》の通りを北へ悠々と立ち去りました」 「総司、来い」 と、歳三は歩きだしていた。 (残らず斬ってやる) 木綿の皮色の羽織をぬぎ、くるくるとまるめて番所にほうりこむと、先斗町の狭斜《きようしや》の軒下をあるきだした。 狭い。 芝居の花道ほどの両側に、茶屋の掛行燈が京格子を淡《あわ》く照らし、はるか北にむかってならんで、むこう三条通の闇に融けている。 「総司、からだの調子はどうだ」 「どうだ、とは?」 「働けるか、ときいている」 沖田総司は、ときどきいやな咳をする。癆★[#やまいだれ+亥]《ろうがい》にでもおかされているのではないか、と歳三は近頃、気づきはじめていた。 「大丈夫ですよ」 沖田は、明るく笑った。 歳三が、念のためそうきいたのは、隊に急報して増援をたのむ気は、さらさらなかったからである。二人でやる。いまのところ新選組の武威を京にあげるのは、少人数で制するほか、ないと歳三はみている。 ——ちぎりや。 と掛行燈の出た家から、芸妓が出てきた。 歳三と沖田は、ぬっと入った。 「会津中将様御預新選組である。御用によってあらためる」 あがりこんでみたが、それらしい者はいない。 五、六軒その調子であらためつつ北上しているうちに、先斗町を過ぎてしまった。 「土方さん、木屋町《きやまち》じゃありませんかね」 と、沖田は三条橋畔に立っていった。 木屋町とは、これから北にかけての旗亭の街である。 「ふむ」 と、歳三は、沖田の顔色を辻行燈のあわい灯ですかし見ながら、 「お前、大丈夫か」 と、また念を押した。 顔色が、よくない。 このさき、木屋町といえば、尊攘浪士の巣窟といってもいい町だ。河原町に正門をもつ長州藩邸が、その裏門を木屋町に面してもっている。 もともと、下手人どもは、人数が多い。 その上、町が町だけに、長州藩邸からも加勢がくるだろう。当然、激闘が予想される。 沖田の体が、心配だった。闘っているうちに咳きこみなどしたら、それが最期である。 「大丈夫ですよ」 沖田は、先に立って木屋町に入った。
木屋町に、 紅次《べにじ》 という料亭がある。ただしくは紅屋次郎兵衛というのが詰まったものだ。 「紅次」 と、沖田はつぶやいて立ちどまったが、すぐ格子のそばをゆっくりと歩きはじめた。 酒席の唄がきこえる。それをじっと耳袋に溜めるような表情をしながら、 「土方さん」 と、うなずいた。 武州の麦踏みの唄なのである。 「わかった。総司、ここを固めておれ」 云いおわると、歳三は、ガラリと格子をあけた。 「御用によって改める」 叫ぶなり、かまちへとびあがってツツと走り、ふすまを開けた。 ——何者か。 と、一座の武士が、歳三を見た。なるほど人数は六人。まげも、土州風の者が二人、長州者らしい秀麗な顔つきの者が三人。それに歳三の顔見知りの者がいた。 名は知らない。 たしかに武州八王子の甲源一刀流の道場で、七里研之助の下についていた男である。 (七里も京へ出た、というが、はて、この場はこの男ひとりか) 「何者だ」 と、入口の一人が、とびのいた。それに応ずるように一せいに膝をたて、刀をひきよせた。歳三は、ずらりと一座をみまわした。 (どの面《つら》も、相当に出来そうな) 歳三は、そっと袴をつまみあげ、ゆるゆるとした動作で股立《ももだち》をとった。 「無礼であろう、名をいえ」 「土方歳三という者だ」 「えっ」 いっせいに立ちあがった。歳三の名は、すでに京の尊攘運動者のあいだで鳴りひびいている。 「さきほど、四条橋畔で、九条家の雑掌某を斬ったのはお手前方であろう」 「そっ、それが」 と、入口の背の高い男がいった。 「どうしたっ」 「詮議《せんぎ》する。隊まで御同道ありたい」 行く馬鹿はない。 入口の男が、返事がわりに抜き打ち、横なぐりに斬ってきたのを、歳三はかまわずにおどりこみ、あっ、と一同が息をのむすきに座敷の中央をまっすぐに駈けぬけた。 そのまま障子を踏み倒して、廊下へ出、くるりと座敷にむいた。 逃がさぬためである。表に逃げる者のためには、沖田が待っている。みごとといえるほどの喧嘩上手であった。 「相手は一人だ」 と、男のひとりが叫んだ。 「押し包んで斬ってしまえ」 「燭台に気をつけることだ。火を出すと、京では三代人づきあいができぬというぞ」 そういったのは、歳三である。剣を右さがりの下段にかまえている。 みな、近よらない。 歳三の背後は、縁。 それに狭い庭がつづき、板塀一つをへだてて鴨河原である。 「諸君、なにを臆しておられる」 と、さきほど入口にいた背の高い男が、剣を中段にかまえつつ、ツツと出た。 籠手を撃つとみせ、コブシをあげたとき、歳三の剣も、ややあがった。その瞬間、 「突いたあっ」 とすさまじい気合とともに体ごとぶつかってきた。 が、すでに歳三は片ひざをつき、|うな《ヽヽ》じ《ヽ》をのばし、体をのばし、剣を突きのばして、相手の胴を串刺しにしていた。 すぐ手もとへ引き、血の撒き散った畳を飛び越えてさらに一人を右袈裟《みぎげさ》にたたき斬った。 あとは、乱刃といっていい。 相手も、出来る。背後からあやうく斬りおろされそうになったとき、歳三の頭上に鴨居があった。 ぐわっ、と鴨居が鳴った。歳三はキラリとふりむくと、そこに顔がある。 武州の顔である。 眼に、恐怖があった。 男は、刀をぬきとるなり、庭さきにとびおりた。 つられて、歳三もとびおりた。苔が、足の裏につめたい。 男は、裏木戸をあけた。 すぐ、崖である。一丈ほどの石垣が、ほとんど垂直に組まれている。飛びおりれば、足をくじくだろう。 男は、ためらった。 宵の星が、東山の上に出ている。 「おい」 と歳三はいった。 「七里研之助は、達者か」 「土方」 男は、裏木戸から、身を闇の虚空にせり出した。 「覚えてろ」 飛んだ。 「………」 歳三は、座敷のほうをふりかえった。沖田がきている。 沖田は座敷の真中に突ったち、すでに剣を収め、左手を懐ろに入れていた。 豪胆な男だ。 足もとに死体が二つ。むろん、沖田が片づけたものだろう。 「土方さん、隊に帰りますか」 「ふむ」 歳三は袴をおろしながら、 「いまの男、八王子の甲源一刀流のやつだ」 「七里研之助の手下ですな」 「逃がした。もすこしで、武州の恨みをはらしてやるのだったが、惜しいことをした」 「土方さんは、執念ぶかい」 「それだけが」 歳三は、縁へあがった。 「おれの取り得だ」 「妙な取り得ですな」 「いずれ、七里研之助とも、どこかで出くわすことになるだろう。あれほどの男だ。やつも、それを楽しみに待っているにちがいない」 「おどろいたなあ」 沖田は、歳三の顔をのぞきこんで、 「田舎の喧嘩を花の京にまで持ちこすのですか」 「そうだ」 「土方さんには、天下国家も、味噌もなんとかも、一緒くたですな」 「喧嘩師だからな」 「日本一の喧嘩師だな。ただおしむらくは、土方さんには、喧嘩があって国事がない」 「その悪口、山南敬助からきいたか」 「いいじゃないですか」 二人は、通りへ出た。 剣戟におそれをなしたのか、木屋町は軒並に表を閉ざして、ひっそりと息をこらしている。 人通りもない。 三味の音も、絶えている。 「いまの一件、始末しておく必要がある。会所へ寄ろう。こっちだ」 北へ歩きだした。 わるいことに、会所のそばに、長州屋敷の裏塀がある。 (あぶないな) 沖田ほどの者でも、そう思った。 会所に入ると、たったいまの「紅次」での騒動をききつけて、町方たちが詰めかけていた。 「壬生の土方と沖田だ。さきほど、四条橋畔で九条関白家の家来野沢帯刀どのを斬った兇賊六人が、紅次で酒宴をしていた。からめとるべきところ、手向ったので、斬りすてた。討ち洩らした者は一人」 「へっ」 みな、慄えている。 「番茶はあるか」 「へへっ」 一人が走り出て、すぐ、枡《ます》にいっぱい、冷酒を汲んできた。 「これは、番茶ではないな」 「へい」 「番茶だ、と申している」 歳三は、凄い眼つきをした。やはり、人を斬った直後で、気が立っている。会所の番人が、大きな湯呑にそれを入れてくると、 「総司、飲め」 といって、表へ出た。番茶が咳の薬にもなるまいが、飲まぬよりはましだろうとおもったのだ。 ——犬がほえている。 歳三は、南にむかって歩きはじめた。なるべく、川端に寄った。 高瀬川である。 沖田が後ろから追いついてきたとき、ちょうど船提灯をつけた夜船が通った。 その高瀬川の西岸に、北から、長州藩邸、加賀藩邸、対州藩邸、すこし南へくだって、彦根藩邸、土佐藩邸、と、諸藩の京都屋敷が白い裏塀をみせている。 「土方さん、木屋町の会所はね」 と、沖田が小声でいった。 「あれは、長州、土州になじんでいるから、どことなく、われわれにつめたい」 「それが、どうした」 「われわれがこの方角に出た、ということを長州藩邸に報らせていますよ、きっと」 「総司、疲れたのかね」 「いやだな」 沖田は、いった。 「私は、土方さんより丈夫ですよ。まだ一刻は働ける」 歳三は、足をとめた。犬が、あちこちで喧《かまびす》しく鳴きはじめた。 「総司、来たようだな」 「後ろ、ですか」 沖田は、前をむいたまま、訊いた。 「ふむ、後ろだ」 「前にも、いますよ」 二人は、歩いてゆく。 前後から四、五人ずつ、前の組はゆっくりと、背後の組は急ぎ足で、しだいに間隔をつめてきた。 「総司、離れろ」 と、歳三はいった。敵に、目標を分散させて、ここは斬りぬけるつもりだった。 沖田は、左手の軒端のほうに寄った。道の両端で、二人は同時に立ちどまった。 真中を、人影の群れが歩いてゆく。いずれも、屈強の武士である。 それらも、いっせいに足をとめた。むきは半分は沖田へ、半分は歳三へ。 「何の用だ」 と、歳三はいった。 「そのほう、壬生の者か」 「いかにも」 「さきほど、紅次において狼藉《ろうぜき》をはたらいた者であるな」 「詮議をしたまでのこと」 「同志の敵《かたき》っ」 抜き打つなり、真二つになっていた。歳三はとびぬけるように、トントンと道の中央に出た。 死骸が、斃れている。 「これ以上、殺生は無用だ」 刀をおさめると、すたすた歩きはじめた。 沖田の影はすでに前を行っている。右肩が急にふるえた。 咳をしているらしい。
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