北アフリカのチュニジアで起きた市民の抗議行動がきっかけとなり、過去最大規模の反政府デモが起きているエジプトでは、治安部隊がデモ隊の強制排除に乗り出し、緊迫の度合いが増しています。
エジプトでは２５日、若者の一部がインターネット上で物価の高騰などに抗議する全国一斉のデモを呼びかけ、過去最大規模の反政府デモに発展しました。デモは全国各地に広がって、治安部隊とデモ隊の衝突が相次ぎ、これまでに少なくとも２人が死亡、多数のけが人が出ています。このうち首都カイロでは、１万人以上が中心部の広場を占拠し、３０年近く大統領の座にいるムバラク大統領の退陣や民主化などを求め、夜を徹して抗議の座り込みを続けていましたが、現地時間の２６日未明、治安部隊が突如、ゴム弾や催涙ガスを発射して、デモ隊の強制排除に乗り出しました。これに対し、デモ参加者が石を投げるなどして治安部隊と激しく衝突し、新たに大勢のけが人が出ています。エジプト政府は、若者がデモの参加を呼びかけるためなどに使う携帯電話やインターネットの機能の一部を強制的に停止してデモの拡大を防いでいます。デモ隊の強制排除に乗り出したことで、現地は緊迫の度合いが増しており、北アフリカのチュニジアで、市民の抗議行動によって独裁的な政権が崩壊したことがきっかけとなり、エジプトでも、今後、民主化を求める動きがさらに激しさを増しそうです。
