１月の地震からの復興が遅れているカリブ海のハイチでは、２８日、大統領選挙の投票が行われましたが、不正があったとして選挙の無効を求める大規模な抗議デモが起きるなど、混乱が起きています。
２８日行われたハイチの大統領選挙は、今の政権に近い候補と、現政権に批判的な複数の候補の激しい争いとなりました。投票が進められるなか、政権に批判的な候補らが合同で記者会見を開き、「政権に近い候補に有利になるような不正が行われた」として、選挙の無効を求めました。首都ポルトープランスでは、数千人の市民によるデモが行われ、選挙管理委員会の前で警官隊ともみ合いになり、警官が発砲するなど、緊迫した状況となっています。参加した市民たちは「公正な選挙ができない今の政権は許せない」とか「有権者登録をきちんと行わなかったのは問題だ」などと話していました。投票はすでに締め切られ、選挙管理委員会は問題があったことを認め、調査は行うとしたものの、選挙そのものを無効にすることはないとして、来月２０日に最終的な結果を発表することにしています。ハイチでは、１月の大地震からの復興の遅れやコレラの感染対策のまずさなどから、市民の不満が高まって、暴動や発砲事件が相次いでおり、選挙をめぐる混乱が広がることで治安がさらに不安定になることが懸念されています。
