国連安全保障理事会は２９日、北朝鮮の核問題に対する制裁について非公式協議を開催し、アメリカのライス国連大使は「韓国側に２２人の死傷者を出した北朝鮮の砲撃を強く非難する」と述べ、北朝鮮を改めて非難しました。
安保理の非公式協議は、先に北朝鮮のニョンビョンでウラン濃縮施設が確認されたことを受けて、北朝鮮の核問題に対する制裁を議題に開催されました。協議の詳しい内容は明らかにされていませんが、協議のあと、アメリカのライス国連大使が記者会見し、まず、ウラン濃縮施設について「明らかに制裁決議に違反している」と述べて強く非難しました。そのうえで「韓国側に４人の死者と１８人のけが人を出した非道な攻撃を強く非難し、北朝鮮に対して、無責任な行動を中止するよう求める。アメリカは、北朝鮮が脅かすこの地域の平和と安定を維持するために、国際社会と連携してゆく」と北朝鮮を改めて非難しました。また、安保理の議長国イギリスのライアル＝グラント大使も北朝鮮による韓国への攻撃とウラン濃縮施設の建設を共に非難する考えを示しました。一方、日本の西田国連大使は、北朝鮮のウラン濃縮施設については「明らかな安保理決議違反だ」と非難したものの、北朝鮮の砲撃については言及しなかったということです。北朝鮮の砲撃をめぐっては、今のところ、安保理で公式な議題として取り上げる予定はまだなく、関係国は、情勢を見極めて協議を続けるとしています。
